祭提灯本体の製造工程
弊社では今もなお、一本、一本、竹ひごで輪を製作し、提灯の原型となる型にその輪を並べ、糸で繋ぎ合わせて製造する伝統的な手法を用いておりますので、原型に竹ひごを螺旋状に巻き上げて、形を構成する一般的な物に比べ、耐久性があり、実用的です。
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- 竹ひごを削る
単純に細い竹を輪にすれば良い訳ではなく、重ね合わせた際に出来る段差が無くなる様、予め、提灯の幅や長さに合わせてカットした、ひごの内肉を薄く削って行きます。製作工程中、最も気を使う作業です。
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- 竹ひごを巻く
内肉を削り、太さが整えられた竹ひごを輪にして行き、あとで、輪の直径を自由に変えられる様に、それぞれに和紙を巻いていきます。平均して、百本、大型堤燈制作の際には、二百本以上の輪を用意します。
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- 竹ひごをためす
この時点では、竹ひごがまだ、1本1本が不揃いなので、オリジナル作成される、ちょうちんが歪な形にならない様に、数本の輪をまとめ、均一な丸みが付く様に扱きます。とても力のいる作業です。
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- 型を組む
祭り提灯の特注製造を行う際、弊社では、鈴木茂兵衛商店に脈々と伝わる型から、ご注文内容に即した物を組み立て、製作致します。お客様がお求めになる形状が増えるほど必要となる型も多くなります。
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- 型にかける
提灯は円柱形ではないので、部分によって直径に差が生まれる為、均一な丸みを持たせた竹ひごを、1本ずつ、形成した型に掛けていく際、歪みが出ない様、適切な輪を選び、しっかりと型を締め付けます。
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- 糸をかける
ちょうちんらしい丸さを竹ひごの調節で制作し、型に嵌められている輪、1本ずつに糸を掛け、和紙が濡れても、型崩れし難い強度を与えます。この掛け糸は、水府提灯の特徴的な技と言えます。
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- 糊をつける
以前は、煮糊と呼ばれるご飯粒をすり潰して作成される物を使っておりましたが、今は透明な化学糊を竹ひごやそれに掛かる糸、1本1本に刷毛で丁寧に塗る事で、伝統的な特注祭り提灯の製造を行います。
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- 紙を貼る
竹ひごへの糊付けが済んだら、和紙を置いていって、撫でる様に優しく、きちんと接着されている事を確認しながら、張って行きます。使用する紙の厚さは、製造される提灯の形状により、様々になります。
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- 型をはずす
使用した化学糊は、強制的に乾かす事も可能ですが、品質を劣化させない為にも、自然乾燥を行い、糊が乾いた事を確認したら、提灯の上下にある口から羽根と呼ばれている型板を引き抜きます。
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- 折り畳む
型が抜かれたばかりの祭り提灯を折り畳む際は、丁寧に行う事が重要で、折り目が正しく、決して雑にならない様、一間ずつ、慎重に折りながら、完成品の出来栄えを、きちんとチェックしていきます。